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観賞魚のエロモナス感染症の原因・症状と効果的な治療法
観賞魚のエロモナス感染症(赤斑病)の原因・症状と効果的な治療法

熱帯魚や金魚・日本産淡水魚などを含む観賞魚を飼育していると魚が病気になってしまうことがあります
その中でも特に多いのがエロモナス感染症(アエロモナス感染症)と呼ばれる病気です
不治の病とも称されるこの病気は,感染の報告が多いにもかかわらず発症すると治る可能性が低い厄介な病気です

市販の魚病薬などでの治療が一般的ですが,今回はちょっと違ったアプローチで,効果的と言われている治療法を発見したのでまとめます

エロモナス感染症とは?

エロモナス感染症とはその名の通り,エロモナス菌への感染により発症する病気です
進行すると手遅れになる場合が多く治療が難しい病気とされています
エロモナス菌は世界中の淡水中に存在している細菌で,魚だけが罹る病気ではなく人間も感染することがあります
人間が感染した場合にもかなり重症になることがあるほど恐ろしい菌とされています

この菌は大別すると鞭毛を持ち運動する事ができる運動性エロモナスと,鞭毛が無く運動しない非運動性エロモナスに分けられ,どちらも観賞魚の病気としてはメジャーな病気を引き起こします
運動性・非運動性エロモナスは両方とも病原性は強くなく,健康な魚が感染して発症することはほとんどありません
水質が悪いなどの原因で魚が調子を崩している時に発症する日和見感染症に当たります

運動性エロモナス症

エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)という菌に感染することによって発症する病気です
この菌は水温 5〜40℃,pH 6〜11,塩分濃度 0〜4%で発育可能でありとても適応力の強い菌です
特に25〜30℃という高水温でよく増殖するという点が特徴です

人間がこの菌に感染すると急性胃腸炎,いわゆる食中毒を引き起こします
また以前,川で怪我をしたアメリカ人女性がこのエロモナス・ハイドロフィラに感染し,両手と両足の一部を切除するまで重症化したというニュースが報道されたこともありました

「人食いバクテリア」感染女性が退院 両手と両足の一部切除 - MSN産経ニュース「人食いバクテリア」感染女性が退院 両手と両足の一部切除 - MSN産経ニュース

こんなことにはそうそうならないと思いますが,アクアリウムや水棲生物の飼育をしている人はちょっと怖くなってしまいますよね
怪我をした手では水槽を触らない方がいいかもしれません

非運動性エロモナス症

エロモナス・サルモニシダ(Aeromonas salmooicida)という菌に感染することによって発症する病気です
こちらはエロモナス・ハイドロフィラにくべて比較的低温(20℃程度)を好み,高温には弱いという特徴があります
軽くググッた感じでは人間への感染の話は見つからなかったので,こちらはあまり人間には影響がない菌なのかもしれません
人間の体温は36℃とかですから,この菌には少し高過ぎるのかも…

エロモナス菌による病気

エロモナス菌のことを少し知ってもらったところで,今度はその菌がどんな病気に関係してくるのかを紹介します
以下がその病気のリストですが,結構多いです
熱帯魚の病気の原因の結構な部分をこの菌が占めているような感じがありますね
病名の横に原因となるエロモナス菌の種類を示しておきます

赤斑病:運動性エロモナス

運動性エロモナス菌による赤斑病を発症したカゼトゲタナゴ

この記事を書くきっかけにもなったのが,ウチの90cm水槽で飼育しているカゼトゲタナゴが発症した赤斑病です
画像を見てもらうとわかると思いますが,体表に皮下出血による赤斑が現れています
これは少し病状が進行した状態で,発病初期には鰭や体表が粘液の分泌によって白くなります
そしてしばらくしてから皮膚や皮下に出血(赤斑)がでてきます

重症の場合には腹部が赤く変色して表皮が剥がれ,出血し潰瘍になったり肛門が充血して赤くなったりします
他の病気を併発しやすいそうです

立鱗病(松かさ病):運動性エロモナス

鱗が松かさのように逆立つことから別名松かさ病と呼ばれています
体表に出血を伴うことも多く,腹部が膨張してきたり食欲が減少したりします

エロモナス菌の感染によるものではなく,内臓に脂肪が溜まるなどの生理障害によっても同様の症状が見られることがあります
その場合は全身の鱗は立ちますが体表の充血はなく,体は透明感が強くなります

ポップアイ:運動性エロモナス

ポップアイという病気というよりは立鱗病の症状の一つとして扱われることのほうが多いかもしれません
眼球が突出してくるような症状です

鰭赤病:運動性エロモナス

鰭・体表・肛門が赤くなったり,皮膚が剥がれて粘膜が滲み出してくる剥離性カタルという症状が見られます
他にも肝臓がうっ血したり腎臓が腫れ上がったりするらしいです
赤斑病と似たような症状だと思われます

穴あき病:非運動性エロモナス

ここまでは運動性エロモナス菌による病気でしたが,この穴あき病は非運動性エロモナス菌による病気です
鱗1枚程度の範囲で充血が見られることから始まり,充血範囲の拡大,鱗の脱落,さらにその下の真皮が充血して筋肉が露出,というような段階を踏んで病状が進行します
これが魚の体に穴が開いたように見えるので穴あき病というそうです
致死性は低いですが傷跡が残ることがあり,見栄えが大事な観賞魚には罹ってほしくない病気です

新穴あき病:その他のエロモナス

従来のエロモナス・サルモニシダとは異なる非定型エロモナス・サルモニシダによって発病する新しいタイプの穴あき病です
症状は穴あき病とほぼ同じですが,進行が早いらしいです
市販されている魚病薬では効果が無いなんて話もあります…

治療法

エロモナス菌が原因となる病気をひと通り紹介したところで,次はその治療法を紹介します
一般的な方法からあまり知られていない方法まで5種類の方法を紹介します

薬浴


グリーンF ゴールド 5g×5P(動物用医薬品)

動物用医薬品 ニチドウ 観賞魚用 グリーンFゴールドリキッド 250ml

観パラD 30mL(動物用医薬品)

魚の病気の基本は薬浴です
エロモナス菌に効果があるとされているのはグリーンF ゴールド(顆粒・リキッド),観賞魚用パラザンD(観パラD)など主成分がオキソリン酸である薬剤です
これらを溶かした水中に病気に罹った魚をしばらくの間泳がせておくという方法が薬浴です
分量は説明書に従えばいいと思います

これらの他にも塩やメチレンブルー,マラカイトグリーン,過酸化水素などでの薬浴にも部分的な症状に対する効果が認められているようです
塩の場合には濃度は0.5%くらいがいいという情報が多いようですが0.1%がいいとか1%がいいとかいろいろな情報があって定かではありません
私も塩浴は試してないのでどのくらいの濃度が良いのかは分かりません

ココア浴

ココアの成分がエロモナス菌のもつアルカリ性のバリアに対しダメージを与えるので,薬の効果を高める効果があるそうです
砂糖などを含まない純ココアを6リットルに対し1g溶かした水の中に2〜5日ほど魚を泳がせておくという方法です

ただこの方法はあまり効果があったという報告がなく,否定的な意見を持っている飼育者が多いようです

水温を上げる

穴あき病の原因となるエロモナス・サルモニシダが高温に弱いという性質を利用し,水温を上げて治療する方法です
水温は25℃以上にするのが良いとされています

この方法は非運動性エロモナスであるサルモニシダには効果がありますが,運動性エロモナスのハイドロフィラは高温のほうが活動が活発になるので逆効果です
原因となっているエロモナス菌をしっかり見極めた上で行いましょう

殺菌灯

アクアリウム用品に殺菌灯というものがあります
飼育水を紫外線を照射するライトが設置された管に通すことで病気の原因となる寄生虫・ウィルス・細菌を殺してくれるという優れ物です

効果は高いと思われますが,それなりに高価です
また,予防には大きな効果があるが,一度発病してしまった場合には薬浴などの治療をしっかり行う必要があるという意見もあります
殺菌灯は発熱するので小さな水槽には向きませんし,エロモナス菌は常在菌なので殺菌灯といえども全くいない状態にまではできないと思います
状況を見極めた使用が求められます

メトロニダゾール(フラジール)

ウチで飼育している亀が以前病気にかかった時に,その治療のためにメトロニダゾールという薬を個人輸入しました
メトロニダゾールはは抗生物質の1つでフラジールやアスゾールという名前で販売されており,色々な細菌に効果があります
ディスカスの飼育においてはよく使われている薬の一つみたいです

このメトロニダゾールを使ったエロモナス感染症の治療方法が2ちゃんねるの【不治の病】運動性エロモナス症を治す方法というスレで話題になっていました
出どころはどうやらここらへんのようです ちょうど手元にメトロニダゾールがあり,赤斑病を発症してしまったカゼトゲタナゴの治療法を考えていたのでこの方法を試してみることにしました
メトロニダゾールは入手するが少し面倒ですが,下の記事で詳しい入手方法や成分・使用法などを解説しています

亀や魚の病気に!メトロニダゾール(フラジール)の入手・使用法 | AquaTurtlium亀や魚の病気に!メトロニダゾール(フラジール)の入手・使用法 | AquaTurtlium

メトロニダゾール(フラジール)による治療の手順

メトロニダゾール(フラジール)を使ったエロモナス感染症の治療手順を紹介していきます

メトロニダゾールの錠剤を粉末にする

メトロニダゾール(フラジール)の錠剤を粉末にする

上で紹介した記事を参考に購入した錠剤を乳鉢などで粉末にします
色々とコーティングされているのでそのコーティングは剥がします

薬浴用の容器を用意する

メトロニダゾールの粉末を溶かす

薬浴用の容器を用意して水を張り,メトロニダゾールの粉末を溶かします
私は手元に手頃な水槽がなかったのでバケツで代用することにしました
分量は10ガロン(38リットル)に対してメトロニダゾールが100mgから250mgとされています
私の購入したアスゾール錠250mgは1錠あたりメトロニダゾールを250mg含んでいるので,大体5リットルに対し10分の1錠分くらい使用することにしました

コトブキのボトムインフィルターをエアーストーン代わりに

この薬液を1週間に渡って2日に1回のペースで交換します
少し長丁場になるのでエアーポンプも設置しておきました
上の画像はちょうどエアーストーンがなかったのでコトブキのボトムインフィルターをエアーストーン代わりにしています

翌日の様子

エロモナス感染症をフラジールで治療中のカゼトゲタナゴエロモナス感染症をフラジールで治療中のカゼトゲタナゴ

うーん…
尾びれがボロボロになってきてるし充血も広がってる気がする…
もしや手遅れだったかも

さらにその翌日

エロモナス感染症(赤斑病)で死んだカゼトゲタナゴエロモナス感染症(赤斑病)で死んだカゼトゲタナゴ

治療していたカゼトゲタナゴが死んでしまいました
闘病開始後から尾ぐされ病のような症状も発症しだしてそのまま回復しませんでした 2ちゃんねるではかなり効果的な方法とのことでしたが,うちの場合はうまく行きませんでした
原因を少し考えてみます

  • 環境変化のストレスが最後の体力を奪った
  • メトロニダゾールの濃度のミス
  • そもそも手遅れだった

考えられるのはこんなところです
メトロニダゾールの濃度のミスというのは,実は5リットルに対して10分の1錠のところを最初間違って倍の5分の1錠入れてしまったんです
その後すぐに気づいて濃度を薄めましたが,これが良くなかったのかもしれません
それかもう病気に打ち勝つだけの体力が残っていなかったということだと思います

カゼトゲタナゴのいた90cm水槽はレイアウトが複雑で泳ぎの速い魚をすくい出すのは本来難しいです
以前カゼトゲタナゴを人口繁殖させようと思って水槽から取り出そうとしたことがあったんですが,物陰に逃げ込んで全然捕まえられず諦めました
それが今回治療するときにはとても簡単に捕まえられたので,かなり弱っていたのかもしれません

ということで今回の治療は結論としてはうまく行きませんでした

まとめ

かなりの長文でしたが,ここまで読んでいただきありがとうございました
長文の割に実際の治療はうまく行っておらず申し訳ないです

ですが2ちゃんねるでは多くの人が治療に成功しているようだったので,エロモナス感染症の治療法の一つとしてメトロニダゾールを使った方法はいくらか有効性があるはずだと思います
もし試した方がおられたら結果を報告してくださると嬉しいです!

参考サイト

この記事の執筆にあたり以下のサイトを参考にしました
ありがとうございました

NISHIKIGOINISHIKIGOI
日本動物薬品株式会社 | 金魚の病気について日本動物薬品株式会社 | 金魚の病気について
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